統合医療!

統合医療とは?
統合医療についてのいろいろな考え!
厚生労働省・・・「近代西洋医学と相補(補完)・代替療法や伝統医学等とを組み合わせて行う療法であり、多種多様なものが存在します。」
国立補完統合衛生センター[米国]においては、「統合医療」を、「従来の医学と、安全性と有効性について質の高いエビデンスが得られている相補(補完)・代替療法とを統合した療法」

当学会では次のように考えております。

「統合医療とは、近代西洋医学、伝統東洋医学及び総合医療カウンセリング等を統合した医療技術により総合的に治療する医療を言います。」

現代医学は近代西洋医学が主流で東洋医学は二次的な補完的または代替医療として見られている場合が多いと思います。しかし、二次的、補完的とは言えない本質があります。西洋医学の対処療法に対して、東洋医学等は疾患した病気のみではなく体全体を診て体全体を治療します。
両医学を体系的に考える医療を統合医療と言っても良いと思います。

統合医療とは併用することではありません!
最近は各医療機関で統合医療を掲げていますが、そのほとんどは統合医療ではなく「併用医療」が多いのです。補完、代替医療等を併用していても、患者を中心とした統合医療としての治療体系と各医療人の連携がなければ統合医療ではありません。
また、補完・代替医療や東洋医学を統合医療と言いません。治療チームのリーダーとして医師が存在し、鍼灸師、漢方薬剤師等が連携して体系的に治療を行う医療を統合医療といいます。

近代西洋医学と伝統東洋医学の根本的相違!
近代西洋医学は、疾病を治療します。その疾病の原因の対処療法を行います。対処療法とは胃潰瘍の時に胃薬、安定剤等を投薬したり手術をしたりして治療しますが、体のほかの部分は診断しません。胃潰瘍のみを治療します。それに対して伝統東洋医学は、胃潰瘍の場合も胃の診断は当然として体全体も診断します。伝統東洋医学では胃潰瘍等の疾病を疾病と言わずに病気といいます。伝統東洋医学には病気は気を病むこととの考えがあり病気といいます。病気は、病んだ臓器等の問題ではなく体全体の気の乱れにより病気が発症すると考えます。伝統東洋医学は、病気である枝を見て体である木の全体も診るのです。

しかし、伝統東洋医学の問題点は科学的根拠のない迷信的な治療方法も行われ医学界において信用を失っている部分もあります。中国は、新旧のツボについてどのツボが医学的にどのような効果があるかを科学的に検証し発展させています。それに対して我が国の伝統東洋医学はまだまだ遅れて迷信的な治療方法も現実に行われています。

脱線ですが、フランスでは7割の人が針治療の経験があります。しかし、フランスの針は中国の鍼灸技術です。そして、針そのものは日本の針を使用しているとのことでした。良いとこどりのフランス人らしい考え方と思います。

いずれにしても、我が国の医学界や国民は伝統東洋医学のすばらしさを理解していないようで残念に思います。偏見と迷信がなくなり伝統東洋医学を含んだ統合医療が普及して最先端の医学として進歩発展することを願うものです。当学会の活動がその一助となれば幸いです。

混合診療としての問題点!
西洋医学はほとんどが保険適用ですが、代替・補完医療は自由診療がほとんどです。現行制度で統合医療を採用した場合は、混合診療(保険診療と保険外診療の併用)として全てが自由診療とされてしまいます。理不尽な現行制度です。
厚生労働省は、いわゆる「混合診療」問題に対する基本的な考え方をホームページに掲載しています。
厚生労働省 → https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html